インプラント治療を受けた後、多くの方が気になるのがいつから歯磨きしていいのかという点です。
せっかく手術を受けても、間違った方法でケアしてしまうと、傷口に負担がかかったり、インプラント周囲炎などのトラブルにつながったりする可能性があります。
ここでは、インプラント後の歯磨きのタイミングや回数、正しい方法、さらにオールオン4やオーバーデンチャーなどの特殊なケースでのケアについても詳しく解説します。
目次
■インプラント後はいつから歯磨きしていい?
◎手術当日は避ける
インプラント手術を受けた当日は、手術部位の出血や腫れを避けるために歯磨きは控えるのが基本です。
無理にブラッシングをすると止血に必要な血のかたまり(かさぶたのようなもの)がはがれてしまい、治りが遅れる原因になります。
◎翌日からやさしく開始
手術翌日から、手術部位を避けてやさしく歯磨きを始めましょう。
インプラントを入れた部分には直接ブラシを当てず、他の歯や口腔内の清掃を丁寧に行います。
患部は歯科医師の指示に従い、必要に応じてうがい薬で清掃することもあります。
◎抜糸後から本格的に歯磨きが行える
通常、抜糸が終わる1週間〜2週間後からは、患部を含めて歯磨きが可能になります。
やわらかめの歯ブラシで、インプラント周囲もやさしく磨きましょう。
■歯磨きの回数はどれくらい?
◎基本は1日3回が目安
抜糸までの間は1日2回以内におさめて、抜糸後からは1日3回磨きましょう。
特に寝る前の歯磨きは大切で、汚れを残したまま就寝すると細菌が繁殖しやすくなり、インプラント周囲炎のリスクを高めます。
■インプラント後の正しい歯磨き方法
◎やわらかめの歯ブラシを使う
術後は歯肉が傷つきやすいため、毛先の柔らかい歯ブラシを選びましょう。
力を入れず、毛先を軽く当てる程度で十分です。
◎インプラント周囲は細かく動かす
インプラントの周囲は、歯垢(プラーク)がたまりやすい部分です。
歯と歯肉の境目に毛先を斜め45度に当て、小さく細かく動かすバス法が効果的です。
◎補助清掃用具を取り入れる
歯間ブラシやデンタルフロスは、インプラントの隙間清掃に欠かせません。
特にインプラントの連結部やアバットメント周囲は汚れが残りやすいため、毎日取り入れることが必要です。
■インプラントの種類別の歯磨きの仕方
◎オールオン4の場合
オールオン4は片顎に4本のインプラントを埋入し、その上に連結した人工歯を装着する治療法です。この場合、通常の歯ブラシだけでは清掃が不十分になることがあります。
この場合は、、インプラントと人工歯のすき間に通せる「スーパーフロス」という特別なフロスを使うのがおすすめです。スーパーフロスなら、人工歯と歯ぐきの間やブリッジの下までしっかり清掃できます。
◎オーバーデンチャーの場合
インプラントを土台にして義歯を固定するオーバーデンチャーでは、義歯を外して清掃することが可能です。
義歯は義歯専用ブラシで磨き、インプラント周囲はやわらかいブラシや歯間ブラシで清掃します。
■ケアのコツと注意点
◎術後しばらくは歯科医師の指示に従う
インプラントの定着には数ヶ月かかります。
その間は歯科医師から指定されたケア用品(やわらかめの歯ブラシ、うがい薬など)を優先的に使用しましょう。
◎定期的なメンテナンスを受ける
歯科医院でのプロフェッショナルケアも欠かせません。
3ヶ月〜半年ごとの定期検診では、クリーニングだけでなく、インプラント周囲の清掃や噛み合わせのチェックが行われます。
※定期検診の頻度は患者様や歯科医院によって異なります。
◎自宅ケアとプロケアの両立が大切
インプラント自体は人工歯のためむし歯にはなりませんが、歯ぐきは患者様のもの。
歯周病のように進行し、徐々に周囲の骨を失うことにつながるインプラント周囲炎に注意が必要です。
毎日の歯磨きと歯科医院でのケアを両立することで、長期的な安定が得られます。
【インプラント後の歯磨きは翌日から】
インプラント後の歯磨きは、手術当日は控え、翌日からは患部を避けて優しく行いましょう。
抜糸後からは本格的なブラッシングが可能となり、基本は1日3回の歯磨きが目安です。
オールオン4やオーバーデンチャーなどの場合は、それぞれの構造に合わせた特別な清掃方法が必要です。
当院では装置にあわせたブラッシング方法もお伝えしていますので、ご不明な点があればお気軽にご相談ください。