
インプラント治療は、失った歯を人工の歯根で補う治療法として広く知られています。
「何歳から受けられるの?」「高齢でもできるの?」「年齢制限があるの?」といった質問は多くの患者様から寄せられます。
実際には、骨の状態や健康状態が整っていれば、年齢の上限はありません。
ここでは、インプラント治療における年齢制限の考え方や、年代別の特徴、実際に治療を受ける人の割合などをわかりやすく解説します。
目次
■インプラント治療に年齢制限はある?
インプラント治療は、顎の骨に人工の歯根(チタン製のインプラント体)を埋め込み、人工歯を固定する治療法です。
手術が必要なため、年齢に関係なく「骨がしっかりしていること」と「全身の健康状態が安定していること」が重要な条件になります。
◎上限の年齢目安は70~80歳? でも例外も
一般的には、70~80歳前後までがインプラント治療の適齢期とされています。
これは、高齢になるほど骨の密度や治癒力が低下しやすいためですが、70歳を超えても健康状態や骨の状態が良ければ、治療が可能なこともあります。
患者様によって骨の状態は異なりますので、歯科医師がきちんと検査・診断し、治療の可否を判断します。
◎下限の年齢制限は20歳
一方で、顎の骨がまだ成長途中の10代や20歳未満の方は、基本的にインプラント治療の対象外です。成長段階でインプラントを埋め込むと、周囲の骨が発育する際に位置ずれが生じることがあるためです。
そのため、顎の骨の成長がほぼ完了する20歳前後以降がインプラント治療の適齢期といえます。
■年代別にみるインプラント治療の傾向
◎20代 … 2.6%
20代でインプラントを希望される方は、交通事故やスポーツ外傷などによって歯を失ったケースが多い傾向にあります。
顎の骨の成長が終わっていれば治療は可能ですが、若い年代では将来にわたるメンテナンスが必要になるため、長期的に通える環境づくりが重要です。
また、骨量は十分にあることが多く、治療の成功率は比較的高いとされています。
◎30代、40代 … 2%
この年代はむし歯や歯周病が進行する年代でもありますが、歯の喪失が少なく、自分の歯で噛める人が多いです。インプラント以外に入れ歯やブリッジを検討する場合もあり、インプラントの割合としては低めです。
◎50代、60代 … 14.2%
加齢に伴って歯周病が進行し、部分的に歯を失う方が増える年代です。
この時期のインプラント治療は、入れ歯が合わない、しっかり噛めないといった不満を解消する目的でも選ばれることが多いです。
骨量が減っている場合は、骨造成などの再生治療を併用することで、インプラントが可能になることもあります。
また、50代以降では糖尿病や高血圧などの持病をお持ちの方も増えるため、全身状態の管理を行いながら治療を進めることが大切です。
◎70代~ … 17.6%
70代以降でも、健康状態が安定していればインプラント治療を受けられることもあります。
噛む力が回復することで食事の楽しみが戻り、認知症予防や全身の健康維持にも良い影響があるといわれています。
ただし、手術に際しては骨密度の低下や全身疾患の有無を慎重に確認し、医科との連携が必要になることもあります。
※割合の参考データ
厚生労働省|令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要
■年齢よりも重要なのは骨と健康状態
◎骨の量と密度
インプラント治療の可否を決めるのは、年齢だけではなく、骨の状態と全身の健康状態です。CT撮影による診断で、骨の高さや厚みを確認してから治療計画を立てます。
◎歯周病の有無
歯周病があると、インプラントの周囲で炎症が起きやすく、治療の成功率が下がってしまう場合があります。まずは歯周病の治療を行い、健康な状態にしてからインプラント手術に臨みます。
◎持病の有無
糖尿病や心臓病、高血圧などがある場合でも、数値が安定していれば治療できるケースが多くあります。歯科医師と主治医が連携し、全身の状態を確認したうえで安全に治療を進めます。
【インプラント治療は20歳以上、80歳頃が目安】
インプラント治療を受けられる上限の年齢は、一般的には70~80歳前後が目安とされますが、骨や歯肉が健康であれば、治療を受けられる可能性があります。
ただし下限はあり、顎の成長が未完成な10代や20歳未満では適応できないことがあるため、治療のタイミングには注意が必要です。
まずは一度、CT検査を含めたカウンセリングで、お口の中の状態を確認してみましょう。
