矯正治療は、子どもの頃に受けるイメージが強いかもしれませんが、大人になってから始める方も増えています。
実は、矯正治療は年齢を重ねても治療は可能です。
では、矯正治療は何歳まで受けられるのでしょうか。
この記事では、矯正治療を始めるタイミングや年齢ごとの注意点を詳しく解説します。
目次
■矯正治療は何歳まで可能?
◎年齢の上限はないが条件はある
基本的に矯正治療に年齢制限はありません。
骨や歯茎の状態が健康であれば、何歳であっても矯正装置を使って歯を動かすことは可能です。
ただし、年齢が上がるにつれて歯周病や骨の吸収といったリスクが増えやすくなるため、歯科医師の診断と治療計画が重要になります。
■20代の矯正治療
◎治療の自由度が高く理想的な時期
20代は骨の柔軟性があり、歯の動きもスムーズなため、矯正治療がしやすい年代といえます。大人としての意識が高まる中で、歯並びを整えることによって就職や結婚といった人生の節目にも自信を持つことができるでしょう。
また、歯周病がまだ少ない年代であることが多く、矯正治療に集中しやすいというメリットもあります。
■30代の矯正治療
◎生活との両立と治療前のチェックが大切
30代では仕事や家庭の両立が必要になるため、矯正治療のスケジュール調整がポイントになります。
近年ではマウスピース型矯正装置の普及で、見た目や通院の面で無理なく治療を継続できる環境が整っています。
一方で、30代になると歯周病や被せ物の治療歴がある方も多くなってくるため、矯正前に口腔内全体のしっかりとした検査が必要です。
歯肉の状態が悪いまま無理に歯を動かすと、歯を支える骨が痩せてしまうこともあるため注意が必要です。
■40代の矯正治療
◎健康管理が必要になってくる時期
40代になると、歯や骨の加齢に伴う変化が起こりやすくなります。
歯周病のリスクが高まることに加え、糖尿病や高血圧などの全身疾患と口腔内の健康が密接に関係してくるため、矯正治療を開始する際は全身の健康管理も視野に入れはじめましょう。
また、長年の噛み合わせの癖や、歯の摩耗によって歯の位置が固定化されていることが多く、治療期間がやや長くなることもあります。
■50代以降の矯正治療
◎治療可能なケースも多い
50代以降でも矯正治療が不可能というわけではありません。
健康な歯と歯周組織が残っていれば、歯を少しずつ動かしていくことは可能です。
特に、将来的にインプラントやブリッジなどの補綴治療を行う可能性がある場合、その前準備として歯列矯正を行うことがメリットとなるケースもあります。
ただし、加齢による骨密度の低下などがあるため、事前の検査が必要です。
■年齢を問わず注意すべきポイント
◎矯正前の精密検査とメンテナンス
年齢に関係なく、矯正治療を成功させるためには事前の口腔内検査が重要です。
むし歯や歯周病の治療を先に行う必要があることも多く、治療中も定期的なメンテナンスを受けることでトラブルを防ぐことができます。
また、矯正後の保定期間も大切です。
せっかく整えた歯並びを維持するためには、年齢に応じたアフターケアが求められます。
【歯並びの改善は健康寿命にも関係する】
歯並びが整うと見た目が美しくなるだけでなく、噛み合わせが改善されることで全身の健康にも良い影響があることが分かっています。
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特に、しっかり噛めることで認知機能や消化機能が良くなり、健康寿命を延ばす可能性もあるのです。年齢に関係なく、矯正治療はしたいと思った今が治療を検討する良いタイミングです。
気になっている方は、まずは矯正歯科で相談してみましょう。