インプラント周囲炎を予防する自宅ケア、ブラシの選び方と磨き方|東金市の歯医者|ぐみょう今井歯科医院

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インプラント周囲炎を予防する自宅ケア、ブラシの選び方と磨き方

インプラント周囲炎を予防する自宅ケア、ブラシの選び方と磨き方

目次

歯ぐきの境目をやさしく守る、毎日の清掃と相談の目安


インプラント周囲炎を自宅で予防する基本は、やわらかめの歯ブラシで歯ぐきの境目に力をかけず汚れを落とし、出血が続くときは強く磨き直さずに歯科医院へ相談することです。


せっかく治療した歯を長く大切に使いたいお気持ちがあるからこそ、血が出ると心配になります。この記事では、自宅で無理なく続けられるブラシの選び方と磨き方、歯科医院へ相談したい変化の目安をお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • やわらかめでヘッドの小さい歯ブラシを選び、歯ぐきの境目を軽い力で小刻みに磨きましょう。
  • 出血が続く、腫れや膿、口臭、噛んだときの違和感がある場合は、歯科医院へ相談しましょう。
  • 歯間ブラシなども取り入れ、担当者と道具や磨き方を相談しながら定期メンテナンスを続けましょう。

「出血したら強く磨く」は誤解?インプラント周囲炎の予防で相談したい変化


歯磨きで血が出たとき、汚れが残っているからと力を入れて磨き直すのは控えましょう。まずはやさしい力での清掃に切り替え、それでも変化が続く場合は歯科医院へ相談する目安になります。


強く磨き直すほど歯ぐきの境目に負担がかかる理由


出血を見て力を強めると、インプラントと歯ぐきの境目を傷つけるおそれがあります。強い力で毛先が広がると、かえって細かい隙間のプラーク(歯垢)が落ちにくくなります。


念入りに磨いた翌日も血が出たとしても、ご自身の努力不足と責める必要はありません。出血は「もっと強く磨くサイン」ではなく、「当て方や歯ぐきの状態を見直すサイン」として受け止めることが大切です。


インプラント周囲粘膜炎と周囲炎の違い、出血は早い段階のサイン


インプラント周囲の炎症は、進行の程度によって2つに分かれます 1。炎症が周囲の粘膜だけにとどまる段階を「インプラント周囲粘膜炎」、支えるあごの骨にまで進んだ状態を「インプラント周囲炎」と呼びます 1。


どちらも初期には痛みが出にくいため、歯磨き時の出血が気づくきっかけになりやすい変化です。プラークがたまった状態が続くことや、定期的なメンテナンスが途切れることは、炎症が進むきっかけになりえます。また、血糖値が高い状態が続くと、傷が治りにくく感染しやすくなることがあります。


数日続く出血・腫れ・膿・口臭は歯科医院へ相談したい変化


痛みがなくても、次のような変化があるときは歯科医院へ相談する目安になります。


  • やさしい力での歯磨きに変えても出血が続く
  • インプラント周囲の歯ぐきが赤く腫れている
  • 歯ぐきを押すと白い膿が出る、または口臭が気になる
  • 噛んだときの違和感や、被せ物の揺れを感じる

自宅ケアで様子を見続けてよいか迷うときは、電話で出血の状況を伝えて受診を相談しましょう。


受診までの間に自宅で続けることと控えること


受診までの間も、やわらかめの歯ブラシで境目をやさしく清掃し続けてください。血が出るからと磨かずに避けてしまうと、プラークがたまって炎症が進みやすくなります。


一方で、強い力でこすることや、かための歯ブラシ、みがく粒がたくさん入った歯みがき粉を使うことは控えましょう。ご自分の判断で市販のマウスウォッシュなどを増やす前に、まずは歯科医院で口の中の状態を確認してもらいましょう。


ポイント

出血時は力を弱めてやさしい清掃を続け、数日続く出血や腫れがあれば痛みがなくても歯科医院へ相談しましょう。


インプラント周囲炎を防ぐ自宅ケア:ブラシの選び方と力をかけない磨き方

インプラント周囲炎を防ぐ自宅ケア:ブラシの選び方と力をかけない磨き方

毎日の自宅ケアでは、歯ぐきを傷つけない道具を選び、力を抜いて小刻みに動かすことが基本です 2。複雑な手順を増やすより、忙しい夜でも無理なく続けられる方法に絞りましょう。


歯ブラシは「やわらかめ・小さめヘッド・毛先が細め」を目安に


自宅で使う歯ブラシは、歯ぐきへの負担が少ない「やわらかめ」で、奥歯の周りにも届きやすい「小さめのヘッド」を目安に選びます。被せ物と歯ぐきの境目には、毛先が細めに加工されたものが入りやすくなります。


インプラントと歯ぐきの境目を傷つけないよう、研磨剤が多く含まれる歯磨き粉は避けると穏やかに磨けます。なお、インプラントの位置や上部構造(被せ物)の形で合う道具は変わるため、歯科医院で口の中を見てもらったうえで選ぶと、合う道具を見つけやすくなります。


歯ぐきの境目には毛先を軽く当て、小刻みに動かす


力をかけ過ぎずに磨くには、歯ブラシを鉛筆のように軽く持つ「ペングリップ」にします。毛先が広がらない程度の軽い力で歯ぐきの境目に当て、1〜2本ずつ小刻みに動かしてプラークを落としましょう。


歯ブラシの毛先がすぐに開く場合や、磨いたあとに歯ぐきがこすれて白っぽくなる場合は、力が強すぎるサインです。磨いたあとは明るい照明の下で鏡を見て、境目に白い汚れが残っていないか確かめてみてください。


歯間ブラシ・フロス・ワンタフトブラシは「1日1回、夜だけ」でも


歯ブラシが届きにくい隙間には、次の補助清掃用具を使い分けます。


  • 歯間ブラシ:隙間の大きさに合うサイズを選び、無理に押し込まず前後に動かす
  • デンタルフロス:被せ物の根元や隣の歯との間に通し、側面をなでるように動かす
  • ワンタフトブラシ:筆のような小さな毛束を、奥歯の裏側や境目のくぼみにそっと当てる

朝や昼に時間が取れない日は、「1日1回、就寝前の夜だけ」に絞って続けることを優先してください。


自己流で道具を増やす前に、担当歯科衛生士へ相談すること


うまく磨けないからといって、ご自分で次々と新しい道具を買い足さなくてもかまいません。当院では、予防のための処置では原則として担当の歯科衛生士を決めており、同じ歯科衛生士がつづけてメンテナンスを受け持ちます。


前回からの歯ぐきの変化を把握している担当者に「奥歯の内側にブラシが当てにくい」「夜は時間がなくて手順を絞りたい」とお伝えください。お口の状態と生活リズムの両方に合わせて、無理なく使える道具や当て方を一緒に確認してまいります。


忙しさも清掃のしにくさも伝えて、自宅ケアと定期メンテナンスを続ける


インプラント周囲炎を防ぐには、自宅でのケアと歯科医院での定期的な確認の両方が欠かせません [1, 2]。通院の間隔が空いてしまったときこそ、現在の生活状況も含めて相談することが無理のないケアにつながります。


自宅で丁寧に磨いていても、定期的な確認が欠かせない理由


インプラントの被せ物の根元はくびれた形をしていることが多く、ご自身の目では見えにくい場所です。毎日丁寧に磨いていても、少しずつ残ったプラークが固まったり、気づかないうちに歯ぐきの奥で炎症が進んだりすることがあります。


インプラント周囲炎の主なリスク要因には、プラークコントロールの不良と並んで定期メンテナンスの欠如が挙げられています 1。そのため、自宅での清掃と、歯科医院での専門的なクリーニングや噛み合わせの確認を組み合わせる必要があります 2。


メンテナンスの間隔はお口の状態によってちがいますが、3カ月から半年ごとに通うのが一般的です 2。自由診療(公的な医療保険が使えない診療)となるときの費用は、歯科医院や処置の内容によって異なります。


なお、インプラント治療や術後の管理には、手術後の腫れや痛み、周囲炎による骨の減少などの一般的なリスク・副作用が伴います。具体的なメンテナンスの間隔や費用については、受診の際に歯科医師・歯科衛生士にお尋ねください。


忙しくて続けにくいことも、ケアを相談するための情報に


ご家族の通院の付き添いやお仕事が重なり、ご自身のメンテナンス予約を先延ばしにしてしまうことは珍しくありません。久しぶりの受診や、出血して強く磨いてしまったことを気まずく感じる必要はありません。


当院では、患者さまの「声」を治療に生かし、将来を見据えて向き合う方針を大切にしています。理事長は人間関係を「アナログ」と表現しており、私たちは機械的な処置だけでなく、日々の対話とアフターケアを重ねていくことが重要だと考えています。


「介護や仕事で夜のケアに時間をかけられない」「睡眠不足やストレスが続いている」といった暮らしの事情も、遠慮なくお話しください。生活の負担をお知らせいただくことは、無理なく続けられる予防の方法を一緒に考えるための大切な手がかりになります。


自宅ケアだけで完結させず、予防のための通院を再開する


当院では、むし歯などの治療を行う「CUREルーム」と、予防のための「CAREルーム」を分けて設けています。高圧蒸気滅菌器やハンドピース専用滅菌器、高性能洗浄器、空気清浄装置などの設備も整え、治療が終わったあとも予防のために落ち着いて通っていただける環境を用意しています。


当院の診療時間は9:00~13:00、14:30~18:30です(一部の曜日は午後の診療が17:30まで)。日曜と祝日はお休みです。もし血が出たり、いつもとちがう感じが気になったりしているなら、おうちでのケアだけで様子を見つづけず、まずはお電話で今の様子をお伝えください。


受診の際は、普段お使いの歯ブラシや歯間ブラシをお持ちいただくと、当て方の確認がスムーズです。「固さを気にせずなんでも噛める、飲み込める」「大きな口で笑顔でいられる」暮らしをこれから先も長く続けていくために、私たちも定期的なメンテナンスを通じてサポートしてまいります。


ポイント

予約が空いてしまった事情や自宅ケアで困っていることもそのまま伝え、担当の歯科衛生士と一緒に予防のための通院を再開しましょう。


よくある質問


Q. インプラント周囲炎と歯周病の違いは何ですか?


A. 天然の歯に起きるのが歯周病で、人工のインプラントの周りに起きるのがインプラント周囲炎です 1。どちらも歯ぐきの炎症から始まり、インプラント周囲炎は進むと支えるあごの骨にまで広がります。初期は痛みが出にくいため、歯磨きのときの出血などに早めに気づくことが大切です。


Q. 1日3回歯磨きをしてもインプラント周囲炎になることはありますか?


A. 回数が多くても、歯ぐきの境目や被せ物の裏側にプラークが残っていると炎症が起きることがあります 1。特にインプラントの根元は段差があり毛先が届きにくいため、回数を増やすよりも、1日1回でも鏡を見ながら歯間ブラシやワンタフトブラシで隙間を丁寧に清掃することが大切です。


Q. 歯ぐきの炎症を抑える食べ物はありますか?また食事で気をつけることは?


A. 特定の食べ物だけで歯ぐきの炎症を抑えることはできませんが、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠は体の抵抗力を保つ助けになります。また、氷や硬いおせんべいなどを無理に噛むとインプラントや周囲の骨に強い負担がかかるため、極端に硬い食べ物は控えるよう心がけてください。


Q. インプラント手術後、歯磨きはいつから始めてよいですか?


A. 手術のすぐあとは傷口を守るため、インプラントを入れたところには歯ブラシを当てず、ほかの歯だけを磨くのが基本です。再開の時期は傷口の治り方(抜糸の時期など)によってちがうため、担当の歯科医師が傷の治り方を見て指示します。その指示にしたがってケアを進めてください。


参考文献


1. インプラントの歯周病「インプラント周囲炎」について日本歯周病学会が解説します! | 歯周病のことがよくわかる「ペリオブック」|日本歯周病学会監修 https://periobook.perio.jp/periodontal-knowledge/501/

2. インプラントのお手入れ | 公益社団法人日本口腔インプラント学会. https://www.shika-implant.org/min-implant/care/

3. 糖尿病とがん、2つの治療をされる方へ | 糖尿病情報センター https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/070/080/01.html

4. Barootchi S, Ravidà A, Tavelli L et al. Nonsurgical treatment for peri-implant mucositis: A systematic review and meta-analysis. International journal of oral implantology (Berlin, Germany) (2020). PMID: 32424380

5. Lafuente-Ibáñez de Mendoza I, Setien-Olarra A, García-De la Fuente AM et al. Role of proinflammatory mutations in peri-implantitis: systematic review and meta-analysis. International journal of implant dentistry (2022). PMID: 35061134 / DOI: 10.1186/s40729-022-00400-y

6. インプラント歯科|昭和医科大学歯科病院 https://www.showa-u.ac.jp/SUHD/department/list/implant/


今井 悠介

歯科医師


ぐみょう今井歯科医院

院長

今井 悠介

▶ 監修者プロフィール

経歴
2014年
日本大学松戸歯学部 卒業
2014年
医療法人 尚歯会 いさはい歯科医院 勤務
2015年
ぐみょう今井歯科医院 勤務
2019年
ぐみょう今井歯科医院 院長就任
資格・所属学会
日本補綴歯科学会 認定医
日本臨床歯科学会
日本口腔インプラント学会
インビザライン 認定医
日本歯周病学会
厚生労働省認可歯科医師卒後臨床研修指導医
日本顎咬合学会 認定医